※文部科学省より画像引用
水素が爆発する理由
『水素爆発』という言葉や出来事を聞いことがあると思いますが、水素には『爆発する物質』という特性があります。そのため水素水を飲んでも大丈夫なの?と思っている方も多いでしょう。
水素は、以下の2つの特性が揃うと着火や爆発します。
水素が持つ特性
①水素の『燃焼範囲』は、他の分子と比べて幅が広い
『燃焼範囲』とは空気中に特定の物質がある一定量、混ざると燃焼が始まるという指標。
水素分子の燃焼範囲は約4%~75%
②とても小さなエネルギーでも着火してしまう
水素は空気中に約4%~75%混ざると燃える気体に変化して、静電気ほどの微量なエネルギーでも着火・爆発につながります。しかし、上記の2つの特性が交じり合わない限り、絶対に着火や爆発する恐れはありません。
『水素爆発』が起きた東京電力・福島第一原子力発電所
東日本大震災の直後、東京電力・福島第一原子力発電所で水素爆発が起きました。爆発した原因は原子力発電所の設計上、放射性物質などを外に漏らすことがないよう完全密閉されている建屋の中で水素分子が溜まった結果、建屋が破壊される程の爆発につながりました。
水素水として販売されている商品は爆発する恐れはないの?
水素水として販売されている商品は、安全なので安心して下さい。
水素は空気中に4%以上、混ざることで燃える気体に変化しますが、開放された空間であれば水素分子はすぐに拡散し濃度が4%以上になることはありません。水素水を製造する際、水に圧力をかけることで限界飽和濃度(1.6ppm)以上の水素をいくらでも溶存させることはできますが、圧力がかかっていない状況下(空気中)では限界飽和濃度以上の水素濃度は維持できません。そのため飲用時の溶存水素濃度は、必ず1.6ppm以下になります。
水素保有量1ppmは0.0001%
溶存水素濃度を表すppm(parts per million/パーツパーミリオン)は100万分の1を表す単位で、1Lの水の中に1mgの水素が溶存されている場合、水素保有量は1ppmとなります。これをパーセンテージにすると、たったの0.0001%。わずか1%にも満たない量です。
入浴用の水素水発生器や入浴剤で発生する水素濃度も同じ条件で、浴槽という開放された空間で1.6ppm以上の濃度が溶存することはできないので着火・爆発の原因となる4%以上の水素濃度が混じることはありません。


