水素と聞くと爆発するなど危険なイメージを持って人が多いかもしれませんが、実はとても身近な存在の物質です。
『水素』について
宇宙の中でいちばん最初に誕生した原子
水素は地球が誕生する前から誕生し、いちばん最初に生まれた物質と言われています。水素という物質のおかげで太陽や地球などの惑星が誕生し、その他さまざまな物質がつくられるようになりました。太陽の原子数比は約85%が水素で構成されています。そして太陽の中心部では水素の原子核からヘリウム原子核を作る核融合が起き、この時に放出されるエネルギーが地球に熱や光を届けていると考えられています。
水素は『原子』と『分子』のカタチがある
水素ひとつひとつは『水素原子(H)』と呼ばれています。このひとつひとつの原子が結びついた状態(共有結合)が、『水素分子(H2)』です。特徴として『原子』の状態では不安定なため、いつも『分子』の状態で存在しています。また他の原子と結び付くと、また別の物質になることもあります。水素分子(H2)は最も小さい分子のため、様々な分子や原子のすき間に入り込める特徴があります。
二酸化炭素を排出しないエネルギー源として期待されている
水素分子は、常温常圧では無色透明で匂いもなく安定した気体のため水素ガスとも呼ばれています。水素分子が燃えても二酸化炭素を排出しない特徴があるため新たなエネルギー源として期待されています。
『水素』が活用されている事例
●自動車の燃料に活用
排気ガスを出さないため、次世代エネルギーとして注目されています。
●人口宝石を作るために活用
『水素』と『酵素』の炎を使用すると人工のルビーを製造できます。
●気球の浮力に活用
浮場ガスとして気球や飛行船に使用されていました。
●ロケットの燃料に活用
スペースシャトルのメインエンジンに使用されています。
●漂白剤として活用
水素と酵素が化合し過酸化水素水に変わると殺菌や漂白効果が生まれます。過酸化水素水は過酸化水素の水溶液で、傷の殺菌消毒薬にも使用されています。ちなみに過酸化水素水は劇薬扱いになっているため飲用はオススメしません。

